サウナブームが続く昨今、「自宅でサウナを楽しみたい」と考える方が増えています。特に、広いスペースが取れないマンションやアパートにお住まいの方にとって、ベランダは貴重なサウナ設置スペースとなり得るでしょう。本記事では、家庭用サウナのベランダ設置の可否や最適なサウナの選び方、設置時の注意点などを詳しくご紹介します。
家庭用サウナはベランダに設置できるのか?
結論からお伝えすると、家庭用サウナはベランダに設置することが可能です。
実は、適切な家庭用サウナを選べば、室内だけでなく、自宅のベランダや屋上などスペースさえあればどこでも設置することができます。特に最近では、マンションやアパートのベランダにも対応できるコンパクトなサイズの家庭用サウナが人気を集めています。
ただし、設置にあたっては様々な条件や注意点がありますので、これから詳しく解説していきます。
ベランダに設置できる家庭用サウナの種類と特徴
家庭用サウナには大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴を把握して、ベランダ設置に適したタイプを選びましょう。
1. 乾式サウナ(ドライサウナ)
- 温度|80~100℃
- 湿度|約10%
スーパー銭湯やサウナ施設などでよく見かける一般的なタイプです。高温低湿で、さっぱりとした汗をかくことができます。サウナストーブで熱したサウナストーンに水をかけてロウリュを楽しむことも可能です。
2. スチームサウナ(湿式サウナ)
- 温度|40~50℃
- 湿度|非常に高い
温度は低めですが湿度が非常に高いため、体感的にはかなり熱く感じます。ボイラーで水蒸気を発生させ、その水蒸気によって温まるサウナです。肌への潤い効果も高く、呼吸器系の症状を和らげる効果も期待できます。
ベランダに設置する場合、それぞれのタイプに合ったストーブの選択が重要になります。
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ベランダに設置するサウナストーブの選び方
家庭用サウナで使用するストーブは大きく分けて以下の3種類があります。ベランダ設置を考える場合、それぞれのメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。
1. 電気ストーブ
電気を熱源として使用し、電熱線を通して発熱させるストーブです。温度調節が容易で、煙が出ないため室内外問わず使いやすいのが特徴です。
メリット
- 煙が出ないため、マンションやアパートでも使いやすい
- 操作が簡単で温度管理がしやすい
- メンテナンスが少ない
デメリット
- 本体価格が高い
- 200V電源が必要な場合が多く、電気工事が必要なことも
- 温まるまでに約30分かかる
- 薪ストーブほど高温にならない
2. 薪ストーブ
薪を燃料として使用する最も伝統的なタイプのストーブです。炎の揺らぎや薪の香りなど、自然の要素を感じられる本格的なサウナ体験を提供します。
メリット
- 高温サウナを作れる(100℃以上も可能)
- 本体価格が比較的安い
- 木の香りや炎の揺らぎを楽しめる
デメリット
- 煙が大量に発生するため、ベランダでは周辺住民への配慮が必要
- 準備やメンテナンスに手間がかかる
- ランニングコストが高い(薪代)
- 温まるのに1時間近くかかる
3. ガス式(遠赤外線)ストーブ
ガスを燃焼させて遠赤外線を発生させるタイプのストーブです。体内深くまで熱が届き、効率的に身体を温めることができます。
メリット
- 立ち上がりが速い
- 広いサウナにも適している
- ランニングコストが安い
デメリット
- 設置が難しい
- ガス管やガスの接続が必要
- 環境負荷が電気より大きい
- ロウリュができない場合がある
ベランダに設置する場合は、煙の発生がなく、安全性の高い電気ストーブが最も適しています。特に集合住宅では、煙が出る薪ストーブは近隣トラブルの原因になる可能性が高いため避けるべきでしょう。また電気ストーブを選ぶ際には、安全性を確保するためにPSEマーク(電気用品安全法に基づく適合性検査に合格した証)が付いた製品を選ぶことが大切です。PSEマークがあれば一定の安全基準を満たしていることが保証されています。
【関連】サウナストーブを買うときに絶対にチェックすべき「PSE」とは?
ベランダに家庭用サウナを設置する前の確認事項
ベランダにサウナを設置する前に、以下の点をしっかりと確認しておきましょう。
1. 管理規約の確認
マンションやアパートなどの集合住宅では、ベランダは共用部分とされていることが多く、管理規約で使用制限がある場合があります。
- 管理組合や管理会社に設置許可を取る
- 火気使用の規制内容を確認する
- ベランダの使用規定を確認する
「管理規約でサウナの設置が明示的に禁止されていなくても、近隣からのクレームが入ることや、理事会の議題となり禁止される可能性があります」。事前確認を怠ると、せっかく設置したサウナの撤去を求められるリスクもあります。
2. 消防法の確認
消防法では、火災予防の観点から火気使用設備や器具の設置に関する規制があります。ベランダにサウナを設置する際には、以下の点に注意が必要です。
-
火気設備の取り扱い
特に薪ストーブを使用する場合は、周囲の可燃物との距離を適切に保つ必要があります。消防法では、可燃物の表面温度が100℃を超えないことや、木材の表面温度が200~300℃を超えないことが基準となっています。 -
避難経路の確保
ベランダは避難経路となっていることが多いため、サウナを設置することで避難経路が塞がれないよう注意が必要です。一般的に避難ルートとして120cm以上の幅を確保することが求められています。 -
テントサウナに関する規制
一般的にテントサウナは建築物とみなされないため、個人での使用に関しては消防法の適用対象外とされることが多いですが、地域によって判断が異なる場合があります。 -
届出の必要性
事業用にサウナを設置する場合は届出が必要ですが、個人使用の場合は基本的に不要です。ただし地域によって異なる場合があるため、心配な場合は最寄りの消防署に確認するとよいでしょう。
特に火を使用するサウナストーブを設置する場合は、事前に最寄りの消防署に相談することをおすすめします。
3. 耐荷重の確認
建築基準法では、ベランダの耐荷重は1平方メートルあたり約180kgと定められています。ただし、これは新築時の基準で、年数が経てば強度も下がります。
種類にもよりますが、本格的なサウナは、本体とストーブで合わせて200kg近い重さになることもあります。特に古い建物の場合は耐荷重に問題がないか確認しておくことが重要です。
4. 電源・配線の確認
電気ストーブを選ぶ場合、電源や配線について以下を確認しましょう。
- 必要な電圧(多くの場合200V)
- コンセントの位置とサウナまでの距離
- 必要な場合は電気工事の許可を得る
- 延長コードの使用可否
5. 十分なスペースの確保
設置場所が狭いと、ゆったりとサウナを楽しめなくなります。
- サウナ本体のサイズ(幅・奥行き・高さ)
- 設営やメンテナンス作業のためのスペース
- 出入りのためのスペース
テントサウナの場合、一般的な1~2人用は設置面積が約1.3m×1.3mほど必要です。ベランダのサイズに合ったサウナを選びましょう。
ベランダに最適な家庭用サウナの選び方
1. サウナの種類で選ぶ
ベランダに設置するサウナは主に以下の種類があり、住居形態によって向き不向きがあります。
- テントサウナ→賃貸、マンション、戸建て(全般)向き
- ボックス型サウナ→マンション(自己所有)、戸建て向き
- バレルサウナ→戸建て、大型のバルコニーがあるマンション向き
- サウナトレーラー→戸建て(庭付き)向き
2. サイズで選ぶ
利用人数とベランダのサイズを基準に選びましょう。
- 1人用:約幅1.2m×奥行1.2m×高さ2m程度
- 2人用:約幅1.5m×奥行1.5m×高さ2m程度
一般的な家庭用サウナのコンパクトタイプでは、幅1.3m×奥行1.5m×高さ2.0m程度のサイズが多く、ベランダ設置に適しています。
3. ストーブの種類で選ぶ。
-
電気ストーブ
→賃貸、マンション、戸建て(全般)向き -
薪ストーブ
→戸建て向き(近隣の理解を得られた場合)
-
ガス式(遠赤外線)ストーブ
→マンション、戸建て
前述のとおり、ベランダに設置する場合は煙やリスクの観点から、電気ストーブがおすすめです。
電気ストーブを選ぶ場合は、使いやすさと安全性を重視しましょう。PSEマーク付きの製品であれば、安心して使用できます。
ベランダサウナを設置する際の具体的な注意点
1. 周囲への配慮
- 煙の発生がないストーブを選ぶ
- 夜間の騒音に注意する(特に水風呂利用時)
- ベランダの使用時間に配慮する
2. 安全性の確保
- 転倒防止対策を行う
- 雨風にさらされる場合は防水対策を施す
- 排水設備をしっかりと整える
3. 水風呂の対策
ベランダで本格的なサウナを楽しむには水風呂も欠かせませんが、以下の点に注意が必要です。
- 折りたたみ式のポータブル浴槽や簡易プールを活用する
- 水の排水方法を事前に確認する
- 階下への水漏れリスクに配慮し、段階的に排水する
- 子どもの声や水の音で近隣に迷惑をかけないよう注意する
4. メンテナンス
- 定期的に清掃・点検を行う
- サウナの下に排水設備を設置し、水がたまらないようにする
- 使用後はしっかりと片付ける(特にテントサウナの場合)
ベランダに最適なおすすめの家庭用サウナ
ベランダに設置可能な家庭用サウナのタイプ別におすすめの商品をご紹介します。
1. テントサウナ
特徴
- 持ち運びが可能で設置・撤去が容易
-
収納時はスペースをとらない
-
比較的安価で導入できる
ベランダに最も設置しやすいのがテントサウナです。組み立てや撤去が簡単で、使わない時は折りたたんでコンパクトに収納できます。サイズは1人用から2~4人用まで様々あり、小さいものなら幅120cm×奥行120cm×高さ165cm程度のものもあります。電気ストーブとの組み合わせでベランダでも安心して使用できます。
2. ボックス型サウナ
特徴
- 常設型で都度設置・撤去の必要がない
- いつでも気軽に利用可能
- 耐久性が高い
常設タイプのサウナとしては、ボックス型が人気です。木材を使用した本格的な作りで、1人用なら約1畳のスペースに設置可能です。断熱性に優れ、温度が安定しやすいのが特徴です。一度設置すれば、いつでも手軽にサウナ体験が可能になります。
3. バレルサウナ
特徴
- 特徴的な樽型のデザイン
-
熱効率が良く、温まりやすい
-
屋外設置に向いている
樽型のデザインが特徴的なバレルサウナは、見た目の美しさと優れた熱効率が魅力です。円形の構造により熱が均一に行き渡り、効率よく温まることができます。ベランダに設置する場合は、耐荷重に注意しつつ、コンパクトサイズ(直径約1.5m×長さ1.5m程度の小型タイプ)を選ぶと良いでしょう。
4. サウナトレーラー
特徴
- 移動可能なサウナ
-
熱効率が良く、温まりやすい
- アウトドア感覚で楽しめる
最もアウトドア感覚で楽しめるのがサウナトレーラーです。移動可能なトレーラーにサウナが設置されたタイプで、広いルーフバルコニーなどがある場合に検討できます。サイズはやや大きいため、設置スペースの確保と耐荷重の確認が必須です。
まとめ:ベランダでサウナライフを始めるために
ベランダに家庭用サウナを設置すれば、24時間いつでもゆっくりとととのえられます。集合住宅の場合は、設置の可否やスペースなどを確認した上で、最適なサウナを見つけて自宅サウナ生活を楽しみましょう。
特に重要なポイントは以下の通りです。
- 管理規約や管理会社に設置可否を確認する
- 耐荷重やスペースを確認してサイズを選ぶ
- マンションやアパートでは煙の出ない電気ストーブを選び、PSEマーク付きの安全な製品を使用する
- 排水設備や水風呂の配置に注意する
- 近隣住民への配慮を忘れない
適切な準備と配慮があれば、ベランダでも本格的なサウナライフを楽しむことができます。自分だけのプライベートサウナで、日々の疲れを癒し、健康的な生活を送りましょう。
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