近年、「サウナブーム」が根付いて「ととのう」という言葉も一般的になり、サウナ愛好家が増加中です。
そのサウナがもたらす様々な効果の中でも、特に注目されているのが「自律神経の調整効果」です。
ストレス社会を生きる現代人にとって、自律神経のバランスを整えることは心身の健康を維持する上で非常に重要です。
この記事では、自律神経の仕組みから、サウナが自律神経にもたらす効果、そして効果的にサウナで自律神経を整える方法までを徹底的に解説します。
自律神経とは?その重要性を知る
自律神経は、私たちの体の「生命維持装置」とも呼ばれる重要な神経系です。心臓の鼓動、呼吸、消化、体温調節など、意識せずとも自動的に行われる体の機能をコントロールしています。日中活動的に動けるのも、夜に自然と眠くなるのも、すべて自律神経のおかげなのです。
交感神経と副交感神経について
自律神経は大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」の2つで構成されています。
交感神経の役割
- 日中やストレス時に優位になる「アクセル」の役割
- 心拍数上昇、血圧上昇、瞳孔散大などの働きがある
- 集中力や警戒心を高め、身体を活動モードにする
副交感神経の役割
- 夜間やリラックス時に優位になる「ブレーキ」の役割
- 心拍数低下、血圧低下、消化促進の働きがある
- 身体の修復・回復、エネルギー補給を促す
これら2つの神経は常にシーソーのように働き、バランスを取りながら体の機能を調整しています。健康な状態とは、この2つが適切なタイミングで切り替わることです。しかし、現代社会ではストレスや不規則な生活により、このバランスが崩れやすくなっています。
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自律神経が乱れる原因とは
自律神経のバランスが崩れる主な原因には以下のようなものがあります。
- 慢性的なストレス
- 睡眠不足や不規則な生活リズム
- 運動不足
- 過度の飲酒や喫煙
- 過剰なスマホやPC使用による視覚疲労
- 不規則な食生活
自律神経のバランスが崩れると、頭痛、めまい、疲労感、不眠、イライラ、消化不良など様々な不調が現れます。これが長期化すると「自律神経失調症」として診断されることもあります。
サウナで自律神経が整う理由
サウナが自律神経のバランスを整える効果があるのは、科学的にも証明されつつあります。東フィンランド大学の研究では、サウナ後30分以内に副交感神経活動が増加することが確認されています。なぜサウナが自律神経に好影響を与えるのでしょうか?
温度変化による自律神経への刺激
サウナは短時間で大きな温度変化を体験できる場所です。この温度変化が自律神経に適度な刺激を与え、その機能を活性化させます。
サウナで自律神経が変化する流れ
-
サウナ室(序盤)
最初は熱さで徐々に体が温まり、血管が拡張し、副交感神経が優位になります -
サウナ室(後半)
次第に「熱い」と感じ始め、血管が収縮し、交感神経が優位になります -
水風呂
冷たい水に入ることで、交感神経が強く刺激され、血管が急激に収縮します -
外気浴(休憩)
体が「危機を脱した」と感じ、副交感神経が優位になりリラックス状態になります
このように、サウナは短時間で交感神経と副交感神経を交互に刺激し、その切り替えを促します。ストレス社会では交感神経が優位になりがちですが、サウナでは強制的に神経のスイッチを切り替えることができるのです。
血流促進と自律神経の関係
血流をコントロールしているのが自律神経であり、血流がよくなることで自律神経の機能も向上します。
サウナと水風呂の温度差により、血管の拡張と収縮が繰り返され、いわば「血管のトレーニング」になります。この血管の柔軟性向上は、自律神経の働きを正常化し、体全体の調子を整えるのに役立ちます。
サウナのホルモンバランスを整える効果
サウナ入浴には、ホルモンバランスの改善効果もあります。
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βエンドルフィン
サウナで体温が上昇すると分泌される「幸せホルモン」 -
セロトニン
気分を安定させる神経伝達物質が増加 -
オキシトシン
リラックス効果をもたらすホルモン
これらのホルモンが分泌されることで、ストレスが軽減され、精神的な安定感が得られます。自律神経と脳内ホルモンは密接に関連しており、サウナはその両方に好影響を与えるのです。
自律神経失調症とサウナの関係
自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れた状態が続くことで様々な身体的・精神的不調を引き起こす症状群です。代表的な症状には以下のようなものがあります。
自律神経失調症の主な症状
身体的症状
- 慢性的な倦怠感・疲労感
- 頭痛やめまい
- 動悸や息切れ
- 睡眠障害
- 消化器系の不調(腹痛、下痢、便秘など)
- 体温調節障害(のぼせや寒気)
精神的症状
- 不安感や緊張感
- イライラや焦り
- 集中力低下
- 抑うつ感
- パニック発作
これらの症状に悩まされている方は少なくありません。そこでサウナは自律神経失調症の改善に効果が期待できる一つの手段として注目されています。
サウナによる自律神経失調症の改善効果
サウナが自律神経失調症に効果的である理由は以下の通りです。
-
強制的な神経スイッチの切り替え
サウナと水風呂の交互入浴により、交感神経と副交感神経の切り替えを強制的に行い、自律神経のリズムを整えます。 -
血流改善による効果
血行が良くなることで、脳への酸素や栄養供給が促進され、自律神経の中枢機能が改善します。 -
リラックス効果
サウナ後の休憩時には副交感神経が優位になり、深いリラックス状態になれます。これがストレスの軽減につながります。 -
睡眠の質向上
サウナ入浴後は体温が緩やかに下がり、質の高い睡眠を得やすくなります。睡眠の質向上は自律神経の回復に不可欠です。
ただし、サウナは自律神経失調症の「治療法」ではなく、改善を促す「補助的手段」と考えるべきです。
重度の症状がある場合は、まず医師の診察を受け、その指導のもとでサウナを利用することをお勧めします。
効果的に自律神経を整えるサウナの入り方
自律神経を効果的に整えるためには、サウナの正しい入り方を知ることが重要です。以下に、自律神経調整に効果的なサウナの入り方を詳しく解説します。
基本的なサウナの流れ
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水分補給
サウナ入浴前に十分な水分を摂取しておきましょう。脱水状態では効果が半減するだけでなく、危険です。 -
全身を洗う
サウナ室に入る前に軽くシャワーを浴びて体を清潔にし、同時に体を少し温めておきます。 -
サウナ室での過ごし方
・時間は5〜10分程度(無理は禁物)
・姿勢はサウナハットやタオルで頭を保護し、背筋を伸ばしてリラックス
・呼吸はゆっくりと深く呼吸して体内の酸素循環を促進 -
サウナ後のクールダウン
サウナから出たら、シャワーで汗を流し、体を冷やします。 -
水風呂
入り方は息を吐きながらゆっくりと入水し全身をしっかり冷やす20秒〜1分程度 -
外気浴(休憩)
10分程度、深呼吸しながら静かに横になるか座って体をリラックスさせる
-
繰り返し
上記のサイクルを2〜3回繰り返す
自律神経調整のためのサウナテクニック
3・6呼吸法
サウナ内での呼吸法は自律神経調整に大きく影響します。「3・6呼吸法」は、サウナでの効果を最大限に引き出すことができます。
- 口から6秒かけてゆっくりと息を吐く
- 鼻から3秒かけて大きく息を吸う
- これを繰り返す
この呼吸法により、副交感神経の働きが促進され、リラックス効果が高まります。
サウナでのストレッチ
サウナ室内でのストレッチも自律神経を整える効果があります。以下の簡単なストレッチを試してみましょう。
左右に倒すストレッチ
- 頭上で両手首を交差させ、上体を伸ばす
- 息を大きく吐きながら、ゆっくりと上体を片方に倒す
- 息を吸って元の位置に戻り、反対側も同様に行う
肩甲骨を開くストレッチ
- 両ひじを胸の高さに上げる
- 息を吐きながら、両腕を内側にひねり、両手の甲を合わせる
- 息を吸いながら両腕を開き、胸郭も開いて肩甲骨を寄せる
これらのストレッチにより、筋肉の緊張がほぐれ、血流が促進され、自律神経のバランスが整いやすくなります。
サウナの頻度とタイミング
自律神経を効果的に整えるためのサウナの頻度とタイミングについても考えてみましょう。
頻度
週に2〜3回程度が理想的です。毎日行っても効果はありますが、体への負担を考慮してペース配分することをお勧めします。
タイミング
自律神経のサイクルに合わせると効果的です。特に朝と夕方は自律神経の優位性が切り替わる時間帯なので、この時間にサウナに入ると効果的です。
- 朝:交感神経を刺激して一日の活動をサポート
- 夕方:副交感神経への切り替えをスムーズにして、睡眠の質を向上
サウナ前後の生活習慣
サウナの効果を最大化するためには、サウナ前後の生活習慣も重要です。
サウナ前
- 食事は入浴の1時間以上前に済ませておく
- アルコールやカフェインの摂取を控える
- 軽いストレッチなどで体をほぐしておく
サウナ後
- 十分な水分補給を行う
- すぐに激しい運動や仕事はせず、15分程度は体を休める
- 睡眠効果を得たい場合は、就寝2時間前にサウナを終えるのが理想的
サウナの効果を高めるための注意点
サウナの効果を最大限に高め、同時に安全に利用するためには、いくつかの重要な注意点があります。
水分補給は非常に重要です
サウナでは大量の発汗があるため、適切な水分補給は非常に重要です。脱水状態では自律神経の調整効果が減少するだけでなく、熱中症のリスクも高まります。
- サウナ入浴前、入浴中、入浴後にこまめに水分を摂取する
- アルコールやカフェインを含む飲料は利尿作用があるため避ける
- 経口補水液やミネラルウォーターなど、電解質を含む飲料が望ましい
禁忌事項と注意が必要な方
以下の方はサウナの利用を控えるか、医師に相談してからにしましょう。
- 重度の高血圧や心臓疾患がある方
- 発熱中の方
- 妊娠中の方
- 重度の皮膚疾患がある方
- 大量の飲酒後
特に自律神経に関わる持病や薬を服用している方は、サウナが症状に影響を与える可能性があるため、事前に医師への相談が必須です。
無理は絶対に禁物
サウナで自律神経を整えるうえで最も大切なのは「無理をしない」ことです。
- 体調が優れない日は入浴を控える
- 定められた時間を守るよりも、自分の体調に合わせる
- 水風呂が苦手な場合は、水シャワーからスタートする
- 「ととのう」感覚を得ようと無理をしない
自律神経のバランスを整えるためには、心地よいと感じる範囲でサウナを楽しむことが重要です。体に負担を感じたら速やかにやめましょう。
サウナで健康的な自律神経を手に入れよう
サウナは自律神経のバランスを整える効果的な手段であることが、経験則だけでなく科学的にも明らかになってきています。サウナと水風呂の温度変化による交感神経と副交感神経の切り替えは、現代社会で乱れがちな自律神経を鍛え、健全なリズムを取り戻す手助けをしてくれます。
特に注目すべき点は以下の通りです。
- サウナは単なるリラクゼーションだけでなく、自律神経系の「トレーニング」としての側面がある
- 効果的な入り方を知ることで、その効果を最大化できる
- 継続的な利用が自律神経の長期的な健康につながる
- サウナを楽しみながら健康効果を得られる、「健康インフラ」としての価値が高い
ただし、サウナは万能薬ではありません。自律神経を整えるためには、サウナ習慣だけでなく、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理など、総合的な生活習慣の改善も欠かせません。
サウナを上手に取り入れ、ストレス社会においても調和の取れた自律神経のリズムを持つことで、心身ともに健やかな毎日を送りましょう。サウナの醍醐味である「ととのう」感覚を通して、自律神経と上手く付き合う術を身につけてください。
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