風邪を引いたとき「熱いお風呂に入って温まれば治る」「サウナで汗をかけばスッキリする」と考えたことはありませんか?
疲労が溜まっている時や、何となく体がだるい風邪の初期症状を感じた時など、サウナの温熱効果に期待してしまう方もいるかもしれません。
この記事では、風邪の予防、風邪を引いた際のサウナ利用、そして風邪の症状緩和について、複数の研究に基づいた情報を詳しく解説します。
サウナが持つ可能性と注意点を理解し、より健康的で快適なサウナライフを送るための一助となれば幸いです。
サウナは風邪の予防と改善に効果がある?
なぜ「風邪に対してサウナの利用が有効」だと考えられているのでしょうか?
その理由は大きく分けて2つあり「免疫力の向上」と「血行促進」です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
免疫力の向上
サウナの利用によって免疫力が向上する効果が期待できます。
免疫力が上がると、風邪などのウイルスが体内に少し入っても、症状が現れる前にウイルスを撃退することができ、予防につながります。
また風邪になったあとでも免疫力を活性化することで、風邪の症状を早く改善することができます。
サウナによって風邪症状の改善が期待できる理由は、主に以下の3つが挙げられます。
免疫細胞の活性化
サウナにより体温が上昇すると、身体の免疫細胞の活性化が促されます。
これにより、風邪ウイルスと闘う力が向上し、回復を促進することが期待できるのです。
白血球の増加
体が温まることにより、白血球の数が増えることが知られています。
白血球は免疫機能に重要な役割を果たし、風邪ウイルスと戦う力を高めます。
結果的にサウナによって免疫力が上がり、風邪の症状を早く改善するだけでなく、風邪の予防にも役立つのです。
ストレス軽減
人はストレスが溜まると免疫力が落ちるとされています。
ストレスによって体内でコルチゾールと呼ばれるホルモンが生成され、白血球の働きを阻害してしまうからです。
サウナにはリラクゼーション効果があり、ストレスを軽減することができます。
それによって、白血球が正常に働きやすくなり、風邪の回復をサポートしたり予防することができるのです。
血行促進
サウナが風邪に有効であると考えられるもう1つの理由が、血行促進です。
サウナでは体温が上昇することで血管が拡張し、血流がよくなります。
風邪の症状を改善する理由として、以下の3つが挙げられます。
老廃物の排出促進
血行が促進されると血流も改善され、老廃物を早く排出できるようになります。
また栄養素や酸素が身体の隅々まで運ばれやすくなります。
これにより、免疫細胞の働きが活発になり、病原体と闘う能力が向上します。
解熱作用
血行が良くなると、体の熱を効果的に放散することができます。
これにより、発熱による不快な症状が和らぎ、風邪の回復が促されることがあります。
呼吸器の粘膜機能の向上
体温上昇に伴い、鼻やのどの粘膜の血行が良くなり、その機能が向上します。
ウイルスの侵入を防いだり、体内でのウイルスの増殖を抑制する効果が期待できるでしょう。
自律神経の調整
「サウナ → 水風呂 → 外気浴」のセットは、交感神経と副交感神経を大いに刺激します。
高温のサウナ室では交感神経が刺激され、冷たい水風呂に入ることでさらに交感神経優位な状態になります。
そこから外気浴に移行すると、一気に副交感神経優位な状態となり、いわゆる「ととのう」感覚がもたらされるでしょう。
交感神経と副交感神経が極端に切り替わることで自律神経のバランスが整い、本来の免疫機能が正常化されるのです。
自律神経の乱れは体の抵抗力を低下させるため、サウナによる調整は風邪予防に繋がります。
風邪予防のためのサウナの入り方
風邪の予防や症状の改善のために、特別な入り方をする必要はありません。
以下の基本的なサウナの入り方を再確認して、いつも通りサウナを楽しみましょう。
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水分補給
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体の汚れを洗い流す
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身体を拭いてから入る
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サウナに入ってリラックスする(目安は8分~10分以内)
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汗を洗い流す
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水風呂やシャワーで体を引き締める(水風呂は1分~2分が目安、心臓に負担がある場合はシャワーでも可)
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外気浴(休憩)をする(5~10分程度)
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セットを繰り返す(体力に合わせて1~3回程度)
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風邪を引いたときのサウナ利用の注意点
すでに風邪をひいているときにサウナを利用すると症状が緩和される可能性がありますが、いくつかの注意が必要です。
高熱や倦怠感が強いときには利用しない
体調不良時にサウナを利用すると、体温調節がうまく機能しないことがあり、熱中症を引き起こすリスクが高まります。
また体への負担が増し、症状が悪化することもあります。
そのため、体温が高かったり倦怠感が強い場合は、サウナの利用は避け、しっかり身体を休めるほうが無難です。
特に発熱している時や咳き込むようなつらい風邪の時は、絶対にサウナへ行かないでください。
感染を広げない
風邪は人から人に伝染してしまう可能性があります。
そのため、他人と一緒に利用するような共用のサウナ施設は利用しないようにしましょう。
風邪の症状を軽減したり改善したい場合には、自宅サウナやプライベートサウナのように、最低限個室のサウナを利用するようにしてください。
また自身が患っている病気が風邪ではない可能性もあります。
例えば感染力の強いインフルエンザの場合には、個室であってもサウナ施設のサウナを利用するべきではありません。
明らかな風邪の症状が出ている時は、サウナに限らず外出そのものを控えましょう。
十分に水分補給をする
サウナでは多くの汗(平均で300〜500ml)をかくため、身体の水分が失われやすくなります。
同時に、風邪を引いているときにも身体の熱を下げるために、多くの水分が失われます。
そのため、風邪を引いているときにサウナを利用すると、普段以上に脱水症状になりやすいと言えるでしょう。
サウナを利用する際には、いつもより多めの水分補給を心がけることが大切です。
風邪に対する効果を過信しない
風邪やインフルエンザになったときには、薬を服用したりゆっくり身体を休めたりすることが基本です。
風邪に対するサウナの効果はまだ限定的な研究が多く、すべての人に有効であるとは限りません。
そのため「サウナに行ったから大丈夫」などと安易に考えないよう注意が必要です。
無理に汗をかくと抵抗力が弱くなり、回復が遅くなってしまいます。
サウナは体への負担が大きく体力を消耗するため、体調が万全でない場合は控えるようにしましょう。
サウナ利用の適切なタイミング
風邪には、引き始めから治りかけまでいくつかの段階があります。
症状緩和としてサウナを利用したい場合は、風邪の「初期」と「回復期(病み上がり)」がおすすめとされています。
症状が軽い場合や初期段階であれば、サウナが免疫力を向上させたり、鼻詰まりなどの症状を緩和したりなどの効果が期待できます。
また回復期にはサウナによるリラクゼーション効果も大きく、回復を後押しすることができるでしょう。
いずれの場合も、利用時間は通常よりも短くすることをおすすめします。
一方で風邪のピーク時には、サウナによって身体の負担が大きくなり、風邪の回復が遅くなったり、脱水症などの別の病気のリスクが高まります。
サウナは避けて、休息と栄養補給に専念しましょう。
風邪を引いたときのおすすめのサウナの種類
サウナに入っても風邪のウイルスを身体から排出することはできませんが、少しでも症状を緩和したいとお考えの方も多いでしょう。
風邪の症状を少しでも良くしたい場合におすすめのサウナは「ミストサウナ」や「スチームサウナ」のような湿度の高いサウナです。
湿度の高いサウナを利用することで、鼻詰まりや喉の痛みなどの風邪症状を和らげる効果が期待できます。
また、これらのサウナは比較的低温でじっくりと汗をかくことができるため、急激な脱水症状になりにくいという特徴もあります。
もしサウナの種類が選べるようであれば、ミストサウナやスチームサウナを選んでみましょう。
簡易的なスチームサウナであれば、自宅のお風呂で傘をさす方法もおすすめです。
自宅にサウナを導入すれば人に迷惑がかからない
サウナには風邪予防や改善に役立つ優れた効果が期待できます。
しかし、いくら効果があるとはいえ、公共のサウナを利用する際には他人に風邪をうつさないように、混雑時間を避けたり周囲に配慮したりなど、気をつけなければならない点が存在します。
そのような場合は、さまざまな心配事から解放され、自由な時間に自宅で楽しむことができる自宅用サウナをおすすめします。
自宅サウナは初期費用はかかるものの、導入さえすればいつでも入れるだけでなく、自分の好きな時間に好きなだけサウナを楽しむことができます。
他人を気にすることなく心ゆくまでリラックスできるため、ストレス解消効果もより高いと言えるでしょう。
まとめ
サウナの利用は、風邪の予防や回復に効果が期待されます。
特に、サウナによって免疫力が高まり、血行が促進されることがその理由です。
風邪の初期段階や回復期には、スチームサウナやミストサウナなど湿度の高いタイプが症状の緩和に効果的とされています。
ただし、高熱や強い倦怠感がある場合、体力の消耗や脱水症状のリスクが高まるため、サウナの利用は避けるべきです。
また、症状がある状態で公共のサウナを利用すると、他者への感染拡大の可能性があるため控えましょう。
サウナを利用する際は、いつも以上に水分補給を意識し、無理のない範囲で行うことが大切です。
風邪への効果を過信せず、あくまで休養と適切な医療を優先しながら、体調に応じたサウナ利用を心がけましょう。
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