Sauna Study

ストーブへのこだわりがサウナ体験を変える! ガス・電気・薪、3つの熱源別のメリット/デメリット

ストーブへのこだわりがサウナ体験を変える!
ガス・電気・薪、3つの熱源別のメリット/デメリット

 

日本でもサウナ熱が高まる中、サウナの熱源の選択肢についても関心が集まっています。
ガス、電気、薪という3つの主要な熱源には、それぞれ異なる魅力と特徴があり、それによってサウナ室そのものの雰囲気も大きく左右され、サウナ体験の質も変わってきます。

ここでは、サウナ初心者からプロ愛好者まで、さらに深く楽しんでいただけるよう、各熱源のメリットとデメリットについてご紹介します。


1. ガスストーブー直線的でシャープな熱


写真:サウナ東京「昭和遠赤 -Super Dry Sauna-」


ガスストーブを用いたサウナに入ると、まるで強い日差しを体に直接受けているような感覚になります。熱感は、シャープでストレート。暑さがしっかり感じられ、体全体にダイレクトに熱が伝わるため、汗をかくスピードも早いでしょう。
時間が限られている場合や、忙しい日々の中でパパッと温まりたい時に、ぴったりの選択です。

 

メリット

  • 速い加熱速度
    ガスは点火後にすぐに高温に達するため、立ち上がりがスムーズで、短時間でサウナ室全体を温めることができます。広いサウナ室に対しても、効率良く温めることが可能です。
    日本でメジャーな遠赤外線ストーブでは、輻射熱の効果で、体を芯から温めることができます。
  • ランニングコストが安い
    ガスの燃料費は電気に比べて安いので、長期的に見ても経済的です。都市ガスやプロパンガスが使える環境であれば、スムーズに設置することができます。

デメリット

  • 乾燥感が強い
    もともとガスの熱は乾燥しやすく、湿度が低いため、サウナ室内の空気が乾燥しがちです。他のストーブに比べ、肌に刺激を感じやすくなります。
    ただし、ロウリュ可能なガスストーブの生産が難しかった昔と違い、現在はロウリュ可能なものもあるので、そうした製品を選べば、このようなデメリットは感じづらくなります。
  • 設置環境の準備が必要
    酸素を消費し燃焼ガスが出るため、適切な換気を行う必要があり、室内での使用には注意が必要。安全面での問題が生じないよう、設置環境への配慮が求められます。もちろん、ガスが使える環境は必須です。
    ストーブ自体の初期金額も安くはなく、ガス管などの整備や配置も考えると、初期投資は比較的高くつきやすくなります。

2. 電気ストーブーやや優しく、穏やかに広がる熱



電気ストーブの温かさは、ぽかぽかと春の日差しが全身を包むような感覚です。じんわりと体に熱が染み込み、心地よくリラックスできるのが特徴。
サウナ内での心地よさを追求するなら、やや温かみのある電気ストーブのサウナがしっくりきます。


メリット

  • 温度調整がしやすい
    電力によって温度調整がしやすく、幅広い温度設定が可能です。低温から高温まで多様なサウナ環境を作ることができます。リモコンを用いられるものや、1度ごとの温度設定ができるものも。
    手軽に温度管理ができるため、サウナ初心者にも向いています。
  • メンテナンスが簡単
    最初の設置が簡単で、電源プラグにコンセントを差し込めばすぐに使えるタイプもあります。
    稼働中も薪などの燃料の補充が不要で、火の管理も要りません。
    煙などの発生もなく、空気汚染の心配もナシ。
    ストーブ自体の掃除も、基本的には不要。使用後の後片付けも簡単です。
    家庭用サウナとしても人気があります。

デメリット

  • 立ち上がりに時間がかかる
    設定温度に達するまでにやや時間がかかることがあり、ガスや薪と比べると即効性は劣ります。急いでサウナに入りたい場合には不向きです。
    また、火力の面でも、ガスや薪ほどの高温にはなりづらいという特徴があります。
  • ランニングコストが高い
    電力を多く消費するため、長時間あるいは高頻度で使用する場合には、電気代が高くなりがちです。
    また、ストーブ自体も比較的高価なため、初期設置にお金がかかります。200V電源を使えるようにする環境整備も必要です。

 

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3. 薪ストーブー自然で柔らかい、焚き火のような熱


薪ストーブのあるサウナ室内では、森の中で焚き火にあたりながらのんびり過ごすようなリラックス感が得られます。焚き火の音や薪が燃える匂いとともに、穏やかに体が包み込まれるような温かさからは、自然の中にいるような安心感がもたらされ、心まで温まります。長くゆったりとサウナを楽しみたい方におすすめです。


メリット

  • 自然で穏やか、柔らかな熱
    木材の燃焼により、薪ストーブならではの柔らかなぬくもり感のある、穏やかな熱が広がります。自然な熱が心地よく、ゆったりとした特有の雰囲気を楽しむことができます。
    それでいて火力自体はパワフルなため、100℃を超えるサウナ環境も作り出しやすくなります。熱効率もよく、サウナ室全体を均一にあたためやすいという特徴があります。
  • 香りと空気感
    薪が燃える際の独特な香りや燃焼音、ストーブの窓越しに揺らめく炎が、五感に語りかけてきます。サウナ室内で、自然との一体感を、全身で味わうことができます。ロウリュも楽しみやすいストーブとなっており、アロマオイルなどを使えば、よりバラエティ豊かな高いリラックス効果を得ることができます。

デメリット

  • 設置・稼働中・メンテナンスに手間がかかる
    煙が出るため、設置時には、換気するための動線確保などにも気を使う必要があります。使用は基本的に屋外となり、近隣の建物や消防法との兼ね合いも重要となってきます。
    稼働中には、燃料となる薪の調達や補充、火の管理が必要で、他の熱源に比べて手間がかかります。薪の燃焼によって煤(すす)が発生するため、稼働後の煙突の掃除も欠かせません。
    薪そのものを毎回準備するためのランニングコストもかかります。
  • 温度管理が難しい
    薪の種類や量、燃焼状況によって温度が変動しやすく、一定の温度を保つのが難しい点も。都度の細かな調整が必要となります。
    立ち上げ時にも、薪の燃焼を待つ必要があるため、時間がかかります。

最適なストーブで理想のサウナ体験を!


サウナの熱源選びは、サウナ体験に大きな違いをもたらします。
それぞれの熱源の特徴を鑑みながら、使用目的や施設の規模に合わせて、最適な選択をすることが大切です。

ガスストーブは、経済性や速熱性に優れていますが、乾燥が気になる場合にはやや注意が必要です。設置環境への留意もお忘れなく。ストーブそのものの使用感としては、スピーディにしっかり温まる、ダイナミックな体感が特徴です。
電気ストーブは、操作性とメンテナンスの手軽さが魅力で、家庭用にもぴったり。温度調整も簡単ですが、ランニングコストがかかります。穏やかで安定した熱感が特徴です。
薪ストーブは、なんといっても自然派のサウナ体験を楽しめる、特別な魅力があります。独特の雰囲気と穏やかな熱を味わえる一方、管理に手間がかかります。五感で楽しめる柔らかなぬくもりが特徴です。

いかがでしたでしょうか。普段の用途や、サウナに入っているときの気分を想像した際に、ぴったりの熱源は見つかりましたか?
ご自身のサウナライフに最適な熱源を見つけ、より快適なサウナ体験を追求し、満喫しましょう!

文:本田 恵理