近年、サウナは幅広い年齢層の間でブームとなっており、その人気は漫画やドラマの影響も受けています。
「サウナー」と呼ばれる愛好者も現れ、サウナを中心とした施設も注目を集めています。
本記事では、正しいサウナの入り方や利用する上でのマナー、そして健康や美容に期待できる効果について、詳しく解説します。
この記事を読むことで、サウナ初心者の方でも安心してサウナを楽しめ「ととのう」体験を通じて、その魅力を深く理解できるでしょう。
サウナに入る前に知っておきたい基本
温泉や岩盤浴と同様に、サウナにもいくつかの段階を経る「正しい」とされる入り方があります。
この入り方を知っておくことで、健康や美容への効果を高められるだけでなく、サウナ特有の「ととのう」という体験を通じて、サウナをより深く楽しめるようになるでしょう。
まずはしっかり水分補給
サウナでは、日常生活では考えられないほどの大量の汗をかきます。
そのため、サウナに入る前にはしっかりと水分補給を行うことが大切です。
入浴前に喉が渇いていない状態だと「水分補給は必要ない」と感じてしまいがちですが「喉が渇いた」と感じた時には、すでに脱水が始まっていることが多いのです。
脱水症状は、めまい・立ちくらみ・倦怠感・頭痛などを引き起こす可能性があります。
事前の十分な水分補給は、これらの症状を防ぎ、安全にサウナを楽しむための基本です。
また、しっかりと水分を体内に蓄えておくことで、サウナでの発汗を促し、より気持ちの良い汗をかくことにも繋がります。
水分補給の最適なタイミングは、サウナに入る少し前です。
具体的には、入浴する30分から1時間前を目安に、コップ1杯(約200ml)程度の水分を摂取することを心がけましょう。
適切な飲み物としては、水やイオンウォーターが推奨されます。
イオンウォーターは、汗によって失われるミネラル分を補給するのに役立ちます。
一方で、アルコールやコーヒー・緑茶などには利尿作用があるため、サウナ前の水分補給としては避けるべきです。
利尿作用のある飲み物を摂取すると、かえって脱水症状を引き起こしやすくなる可能性があるためです。
頭や身体を洗う
サウナに入る前には、必ずシャワーや洗い場でしっかりと頭髪や身体を洗い、汚れを落としましょう。
「あまり汚れていない」と感じていても、人間の皮膚は代謝により汚れているものです。
他の利用者の方のためにも、清潔な状態を保つように心がけることは重要なマナーです。
体を洗うことは衛生的なサウナ利用を促すだけでなく、発汗を促進するという重要な理由もあります。
皮膚が汚れていると皮脂で毛穴が詰まり、汗をかきにくくなるというデメリットがあります。
デトックス効果をより感じるためにも、サウナに入る前には頭や身体をきれいにしておくことが推奨されます。
また、体を洗う際にシャワーで軽く温めておくことで、発汗しやすくなるというメリットもあります。
またサウナに入ると、熱気で髪の毛がダメージを受けてしまう可能性があります。
特にドライサウナは湿度が低いため、髪の水分が失われやすく、傷みやすい環境です。
そのため、頭髪を洗う際にはトリートメントなどを使って保護しておきましょう。
また、サウナ室では濡れたタオルで髪を巻いて保湿することも、熱によるダメージを軽減する効果が期待できます。
施設によってはサウナハットの着用が許可されている場合もあり、これも髪や頭皮を熱から守るのに有効です。
あからじめ体を温めておく
サウナ施設の内部は非常に高温になっているため、冷えた体のままいきなり入室してしまうと、身体への負担が大きくなります。
それだけでなく、身体の芯まで温まるのに時間がかかってしまい、長く入ることが苦手な方は効果を引き出すことが難しくなってしまいます。
特に冬場や気温の低い地域の場合、シャワーだけでなく湯船に浸かってからサウナに入ることをおすすめします。
あらかじめ湯船で体を温めておくことで、サウナでの発汗がスムーズになり、より短い時間でサウナの効果を実感できる可能性が高まります。
体が温まっていることで、サウナ室に入ってすぐに汗腺が開き、効率的に体の深部まで温めることができます。
また血管が拡張することで、その後のサウナと水風呂の温冷交代浴の効果も高まりやすくなるでしょう。
湯船で体を温める際のおすすめの入浴方法は、40℃前後のお湯に5分ほど浸かることです。
その後、体温が下がらない場所で5分ほど休憩を挟み、体表の水分を取り払ってから再度水分補給をしてサウナに臨むと、より効果を実感できるでしょう。
休憩を挟むことで、体が急激な温度変化に対応しやすくなります。
体についた水分を拭き取る
身体が濡れたままサウナに入ってしまうと、体表についた水分が一気に高温になってしまい、身体の芯まで温まる前に体表温度が上がって苦しくなってしまいます. また、水分が蒸発する際に気化熱が発生し、体の熱が奪われてしまうため、体が温まるのが遅くなり、汗が出にくくなる原因にもなります. タオルでしっかりと体の表面の水分を拭き取ってからサウナに入ることが、より効果的な入り方です. よくある誤解として、「冷たい水を浴びてから入った方が長い時間入れるような気がする」と感じてしまうことがありますが、体表の水分を取り払ってからサウナに入る方がより効果的です。
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サウナへ入る時間の目安と室内でのマナー
サウナは長時間入ればいいというわけではありません。
メリットを最大限受けるためにも、以下のような点に注意が必要です。
サウナに入る時間の目安
サウナに入る時間の目安は6〜12分ですが、慣れるまでは5分ほどを目安にしてみましょう。
無理に長く入ることは身体に負担をかける可能性があるため、自分の体調に合わせて無理のない範囲で入ることが重要です。
サウナに慣れてきたら、徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。
また上級者でも、その日の体調によって時間を調整することが大切です。
サウナ室で座る位置は?
サウナ室では、座る位置が高くなるほど体感温度も上がります。
一般的に上段が最も温度が高く(90℃前後)、中段(80℃前後)、下段(70℃前後)と温度が低くなります。
そのため、暑さを感じやすい場合や、サウナに長く入りたい初心者の方は、なるべく下段に座るようにしましょう。
逆に、より短時間で温まりたい場合は、上段を選ぶと良いでしょう。
クールダウン
サウナで十分に身体が温まったら、次は水風呂で身体を冷やしましょう。
水風呂はサウナの醍醐味の一つでもあり、温まった体を冷やすことで血管が収縮し、血行が促進されるとともに「ととのう」感覚を得る重要なステップとなります。
水風呂に入る前には、サウナでかいた汗をしっかりと洗い流してから入浴することが重要なマナーです。
汗だくの状態で皆が水風呂に入ってしまうと、水風呂の温度が上がってしまったり、水風呂を清潔に保つことができなくなってしまいます。
汗を流す際は、水風呂の脇などに置いてある桶でかけ湯をするか、立ったまま利用できるシャワーで頭から洗い流すのが一般的です。
水風呂の冷たさは施設ごとに異なりますが、入り慣れていないと非常に冷たく感じ、身体に負担がかかることがあります。
そのような場合は、心臓から遠い手足に水をかけることから始めて、徐々に身体を慣らしていくようにしましょう。
サウナと同様に、水風呂もいきなり全身浸かるのではなく、手足の先などから徐々に浸かることがおすすめです。
水風呂の時間の目安と身体への効果 水風呂に浸かる目安としては1~2分ほどですが、 体の温まり具合に合わせて調節しましょう. 入り慣れていない場合は、数秒から始めても構いません. 無理に長く浸かることは、身体に過度な負担をかける可能性があります. 水風呂に入ることで、血管が収縮し、血行が促進される. また、交感神経が刺激され、心身が活性化するとも言われています。
外気浴と水分補給
サウナと水風呂で身体を温め、冷やしたら、いよいよ外気浴です。
サウナに入り慣れていない方にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、外気浴中のことを「ととのう」と表現することが多いです。
サウナ用語としてよく使われる「ととのう」とは、サウナと水風呂・外気浴を繰り返すことで心身に感じられる快感のことです。
「サウナハイ」や「サウナトランス」と呼ばれることもあり、 マラソンで起こるランナーズハイに似た感覚や、瞑想のような効果もあると言われています。
ととのっている状態では、頭が真っ白になる・精神が瞑想状態になり天国にいるような気分が感じられることがあります。
この時、温冷刺激により脳内には「オキシトシン(ストレス緩和効果)」「β-エンドルフィン(気分の高揚や幸福感をもたらす)」「セロトニン(精神の安定効果)」などの脳内物質が分泌されていると言われています。
サウナで「ととのう」ことによって、集中力の向上やストレス解消などが期待できるでしょう。
外気浴におすすめの場所と休憩方法
外気浴の目安は5~10分ほどで、 体調や気分に合わせて調整しましょう。
露天風呂の脇をはじめ、サウナ室の近くに置かれている椅子・寝転んでリラックスできるようなベンチなどが、おすすめの外気浴スポットです。
これらの場所がない場合や他の利用者で埋まっている場合は、邪魔にならない湯船の縁などに腰かけて休憩することもおすすめです。
簡単に体の水気を拭いて、浴室に置いてあるイスやリクライニングなどに深く腰掛けましょう。
外気浴の時間の目安と水分補給の重要性
外気浴の時間の目安は5〜10分ほどです。
それ以上だと体が冷えすぎてしまい、サウナによる効果も減少してしまいます。
また外気浴中も汗をかいているため、水分補給を忘れずに行うようにしましょう。
より効果的な入り方
サウナは一般的に、工程を1セットとして数回繰り返すのが基本とされています。
以下のような流れで、よりサウナを深く楽しめるでしょう。
サウナに入る → 水風呂に浸かる → 外気浴で休憩
この流れを3回ほど繰り返すことで、より身体の循環を促進し、疲労回復などの効果をもたらします。
温冷の差を交互に味わうことで、血管の収縮と拡張が繰り返され、血行促進効果が高まるでしょう。
繰り返す回数は3回程度が目安ですが、最初はサウナも水風呂もなかなか慣れないものなので、まずは無理をせず楽しむのがベストです。
ご自身の身体と相談しながら入浴をすることが何よりも重要です。
上級者でも3セットを目安としつつ、無理はせず当日の体調や気候などに合わせて調節することが重要です。
サウナに期待できる健康・美容効果
サウナに入ることで、健康面でさまざまな効果が期待できます。
実際に期待できる効果について、以下に紹介します。
血流改善
身体が温まることで血流が良くなり、身体に栄養が行き届きやすくなります。
普段滞っていた血液中の老廃物がスムーズに流れ、体外への排出が促されます。
サウナから出た後にはスッキリとし、身体が軽く感じられることもあるでしょう。
疲労回復効果
血液の巡りが良くなることから、疲労物質や乳酸などもスムーズに循環されやすくなります。
慢性的に疲れている人や、スポーツ疲れの人はサウナで身体を温めて血液を循環させることで疲労回復が期待できます。
リラックス効果も相まり、しっかりと発汗することで、安眠にもつながるでしょう。
体臭改善効果
汗腺の働きが悪くなると体臭が悪臭に変わる傾向があるため、しっかりと汗をかくことで汗腺を機能させることが、体臭の予防につながります。
定期的に発汗するきっかけとしても、サウナはおすすめです。
美肌効果
血流を促進させることで、肌に溜まっている皮脂や老廃物・メラニンの排出や美肌効果も期待できます。
発汗することで代謝も上がり、肌のターンオーバーも促され、サウナから出た後には肌の変化を感じやすいのも特徴です。
さらに、火照ったお肌を水風呂で冷やすことで、肌を引き締める効果も期待できるでしょう。
ダイエット効果
体温が38度以上になると、脂肪を燃やす細胞を活発にする物質が増えます。
効果的に体温が上がり、ダイエットにも効果的な物質を生み出すことから、減量したいと思っている人にもサウナはおすすめです。
自律神経を整える効果
サウナに入ることで全身で温冷刺激を受けられ、自律神経が整いやすくなるメリットがあります。
また気分の落ち込みや不眠の解消にもつながる点でも、サウナには多くのメリットがあると言えます。
知っておきたいサウナ利用時のマナー
サウナの入り方がわかったら、実際にサウナに足を運んでみましょう。
そこで、サウナに入る際に守るべきマナーについて、5つ紹介します。
サウナに入る前に水滴を拭く
体を温めたりシャワーを浴びたりした後、体表には多くの水滴がつきます。
そのままサウナに入ると、マットや周辺を濡らし、周りに迷惑をかけてしまいます。
また、体表の水分が高温になり、体の芯まで温まる前に体表温度が上がり苦しくなります。
水分を拭いてから入ることで、効率的に体の芯まで温まり発汗効果も高められるでしょう。
濡れたタオルを持ち込まない
濡れたタオルを持ち込むと、周囲が濡れてしまうことがあります。
また、サウナ室内でタオルを絞るのもマナー違反です。
周囲が濡れて室内の温度が下がったり、他の利用者に迷惑をかけたりする可能性が高く、滑って転倒するリスクもあります。
タオルを絞ってから入ることで、他の利用者に迷惑をかけず、発汗した汗をきちんと拭くことができるでしょう。
大きな声で話さない
サウナは静かにリラックスしたい人も多い空間です。
感染症対策の面からも、大きな声での会話は避けるべきです。
狭く静かな空間なので、普段以上に周りの音が敏感に感じられます。
周囲に配慮した楽しみ方をしましょう。
水風呂に入る前に汗を流す
サウナでかいた汗を流さずに水風呂に入ると、水風呂の温度が変わったり、清潔さが保てなくなります。
自分や周りの方、後に使う方への配慮として、必ず汗を流してから入りましょう。
水風呂では潜らない
水風呂は多くの方が利用する浴槽です。
髪の毛をつける行為や潜る行為は、施設でOKとされている場合を除き避けるべきです。
汗や皮脂・唾液などが水風呂に入ってしまう可能性があり、衛生的ではありません。
サウナの種類とそれぞれの入り方のポイント
サウナには、ドライサウナ・スチームサウナ(ミストサウナ)・低温サウナ(遠赤外線サウナ)など、さまざまな種類があります。
基本的な入り方を覚えたら、サウナの種類ごとに入り方を変えてみるのも良いでしょう。
ドライサウナ
日本の主流で、室温は80〜100℃前後、湿度は10%前後に保たれています。
乾燥しているため、髪の保護に濡れタオルを用意すると良いでしょう。
スチームサウナ(ミストサウナ)
温度は40~60℃前後、湿度は100%近くにもなり、蒸気が充満しているのが特徴です。
温度が低く湿度が高いため、ゆっくりと汗をかくことができます。
サウナに入る前にお湯に浸かって毛穴を広げておくと、より発汗しやすくなります.
低温サウナ(遠赤外線サウナ)
温度は40〜60℃くらいで、遠赤外線を使ったサウナです。
基本的な入り方と大差ありませんが、水風呂ではなく25〜30℃のぬるま湯やシャワーを浴び、外気浴でマイルドに体を冷やすのがおすすめです。
サウナに入る際の注意点
サウナに入るにあたっては、いくつかの注意点があります。
体調不良時は避ける
体調が良くないときは、サウナに入るのを避けるべきです。
無理に入ると、立ちくらみを起こしたり、体調が悪化したりする場合があります。
また持病のある方や妊娠中の方、10歳以下の子供も利用はおすすめできません。
飲酒後は利用しない
アルコールには利尿作用があり、飲酒後は普段より脱水症状を起こしやすい状態のため、飲酒後のサウナの利用は避けましょう。
また飲酒により、普段は問題ない場合でも急激に体調が悪化することも考えられます。
食後は時間を空けて入る
食後すぐのサウナ利用も避けましょう。
食後は消化のために消化器系に血液が集中しますが、サウナで血流が促進されて消化器系の働きが低下しやすくなります。
食事をしたら、1〜2時間空けてからサウナに入るようにしましょう.
無理をしない
サウナに入る時間の目安はありますが、自分の体調に合わせて無理のない範囲で入浴しましょう。
熱すぎる・苦しいと感じたら、無理せず退室しましょう。
ドライサウナでは髪を保護する
乾燥したドライサウナでは髪が傷みやすいため、濡れタオルで髪を巻いて保護することを推奨します。
濡れタオルで髪を保湿することで、乾燥によるダメージを軽減する効果が期待できるでしょう。
「ととのう」ためのコツ
より深く「ととのう」を体験するためには、いくつかのコツがあります。
サウナに入る前にしっかりと水分補給をする・体を十分に温めてからサウナに入る・サウナの温度や湿度、入る時間を自分の体調に合わせて調整する・水風呂の温度や入る時間も無理のない範囲で調整する・外気浴では、風を感じられる場所やリラックスできる体勢を選ぶ・休憩中に意識的に呼吸を深くするなども有効と言われています。
初心者はもちろん、上級者であってもこれらは基本と言えるでしょう。
まとめ
サウナは、正しい入り方とマナーを守ることで、心身ともにリフレッシュできる素晴らしい時間を提供してくれます。
より上質なサウナ体験をするためにも、まず水分補給をしっかり行い、身体を清潔にしてからサウナに入ることが基本です。
温まりすぎないよう適度な時間で切り上げ、水風呂や外気浴を組み合わせることで、より深いリラックス状態「ととのう」を体感できます。
一方、上級者にとっても、施設のルールや他の利用者への配慮を忘れず、常に快適な環境づくりを意識することが大切です。
会話を控える、場所を取りすぎないといったマナーも、快適な空間を維持するために欠かせません。
サウナは、血行促進や代謝の活性化・ストレス軽減・美肌効果など、健康や美容にも多くのメリットがあります。
サウナを正しく安全に楽しむことで、日常の疲れを癒し、自分自身と向き合う時間を持つことができるのです。
この記事をきっかけに、あなたも自分に合ったサウナの楽しみ方を見つけてみてください。
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