サウナストーンの種類と選び方

サウナストーンの種類と選び方

サウナストーンは、サウナストーブの熱を蓄え、ロウリュによって蒸気を発生させる重要な役目を担っています。適切なサウナストーンを選ぶことで、サウナの快適性や効率が大きくアップします。
しかし一方で、川などから拾ってきた通常の石を用いた場合、爆発などの恐れがあります。サウナストーン選びは、重要な要素の一つなのです。

今回は、サウナストーンに求められる条件や種類、選び方について詳しく解説します。お手元のサウナストーンの確認とともに、知識を広げるお手伝いができれば幸いです。

サウナストーンに必要な条件

サウナストーンの役割は、高温に耐え、熱を効率的に蓄え、適切な蒸気を発生させること。そのため、以下のような条件を満たしていることが求められます。

・耐熱性が高いこと:急激な温度変化によって割れにくい素材であること。
・蓄熱性が優れていること:熱を長時間保持し、均一に放出できること。
・適度な吸水性があること:ロウリュ時に水を適度に吸収し、心地よい蒸気を発生させること。
・有害物質を含まないこと:加熱された際に有害なガスを発生させない素材であること。

サウナストーンの種類について

サウナストーンは、大きく「天然石」と「人工石」に分類されます。

天然石

・火成岩:マグマが固まってできた石。熱に非常に強く、石の内部に水分が溜まりづらいため、加熱しても割れにくいという特性を持っています。
 -  花崗岩:高い耐熱性と、長期の使用にも耐える耐久性を持ちます。割れにくい石です。サウナストーンとしてはメジャーです。
 - 玄武岩:密度が高く、硬いため、耐久性に長けていて、蓄熱性も高い石です。比較的安価で、入手しやすい点も魅力的です。
 - かんらん岩、斑れい岩、閃緑岩:いずれも高温環境に強く、密度が高い石です。花崗岩や玄武岩に比べ、模様や彩りも綺麗です。

・溶岩石:蓄熱性・耐熱性に優れています。表面に無数の穴があり、通気性と保水性が良いタイプの石です。ロウリュ向きの石であり、多量で気持ちのいい蒸気の発生が楽しめます。多孔質という特性を活かして、アロマオイルを染み込ませるのも良いでしょう。

・変成岩:もともとあった石に熱や力が加わり、変化して出来た石。重みがあり、密度の濃い石です。
 - ジェダイト(香花石):美しい緑色をした、人気のあるサウナストーンの一種です。高い耐熱性、蓄熱性、耐久性を持ち、熱伝導性にも優れ、遠赤外線効果があることでも知られています。ロウリュの際には、安定したまろやかな蒸気を生み出します。価格は高めです。

・堆積岩:砂や泥が堆積して固まった石。耐久性は低めですが、安価で、蓄熱性は高めです。
- ソープストーン非常に滑らかな表面を持ち、熱の保持能力が高い石です。軽量なので、持ち運びにも便利です。

人工石(セラミックストーン)

質が安定していて、高い耐久性を誇ります。また、熱伝導率も均一で、サウナを満遍なく温めます。

保水性にも優れ、ロウリュの効果を得やすい石でもあります。形状も均一なので積み重ねやすく、効率的に熱を伝える特徴があります。
割れやすさと、人工感があり石としての雰囲気に欠けるところが難点です。

サウナストーンの大きさや形状が与える影響

大きさによる影響

・大きい石
最初は温まりにくいですが、一度温まれば熱を長時間保持し、安定した温度を維持できます。ロウリュ時の蒸気も穏やかで、持続性があります。

・小さい石
早く加熱され、ロウリュ時にはすぐに効果を実感できます。ただし、冷めるのも早いので、頻繁な加熱が必要となります。また、石の大きさに対して強い負担がかかるため、割れやすいという欠点があります。

サウナストーンの大きさの目安としては、直径20cm強ほど、こぶし大くらいの大きさが良いとされています。

形状による影響

・角張った石
積み重ねやすいので、隙間が出来づらくなります。通気性には欠ける一方で、蓄熱性は高くなるので、一旦温まってしまえば長期の保温が期待できます。熱伝導率にはやや劣ります。
表面積が大きいので、ロウリュの際には気持ちよい蒸気の発生が楽しめます。

・丸みを帯びた石
石同士の隙間が出来やすいので、ストーブ付近の空気の循環はよくなります。また、熱効率がよく、熱伝導率が高くなります。
一方で、ロウリュ時には水が滑り落ちやすく、角張った石ほどの蒸気は期待できないことに加え、ストーブの発熱体に水がかかってしまった折には負担をかけやすくなります。

サウナストーンと普通の石の違い

耐熱性や蓄熱性に優れ、有害物質を含まないサウナストーンと比べ、普通の石は真逆の可能性をはらみ、サウナに用いるには危険です。具体的な危険性を見ていきましょう。

・耐熱性が低い:すぐに割れる可能性が高い。
・蓄熱性が低い:熱を保持しづらく、サウナ室の温めには向きません。
・吸水性が低い:水を吸収しないため、ロウリュ時には水が滑り落ち、サウナストーブの発熱体を傷める可能性があります。
・有害物質を含む可能性:有害物質を含んでいた場合、加熱時にはそうしたものが空気に溶け出す恐れがあります。
・爆発の危険性:石の内部に空洞があったり、水分を含んでいたりする可能性があるため、熱を加えるとそれらが膨張し、爆発する危険性があります。

よって、通常の石はサウナストーンとしての活用には向きません。

サウナストーンは、良質なサウナ体験を得るための、重要な要素の一つです。
天然石と人工石の違い、大きさや形状の影響などについて知ることで、より深くサウナを楽しむことができるでしょう。
素材によっても特徴が異なる、奥深さを内包するサウナストーン。
適切なサウナストーンを選択し、安全で心地よいサウナ時間を楽しみましょう。

 

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