【ゼロリノベ×サウナ師匠 対談企画】『サウナのある家』の理想のカタチ。暮らしをととのえるリノベーション

朝に気持ちよく目覚めてととのう時間、夜に疲れを癒やしてととのう時間。

そんな“自宅サウナのある暮らし”を、想像したことはありませんか?
それは、きっと多くのサウナ愛好家が一度は描く夢
でも実際にサウナを家に導入しようとすると、「どこに設置する?」「水風呂は?」「外気浴スペースはどうする?」 ……と、理想の前に立ちはだかる現実の壁が次々と見えてきます。
スペース、動線、そしてコスト。シンプルな夢のはずが、実現は意外と複雑なのです。

でももし、その夢を“もっと身近に”“もっと理想的なカタチで”叶えられるとしたら?
そんな発想から、ひとつのプロジェクトが動き出しました。

中古マンションのリノベーションで業界をリードする「ゼロリノベ」が、日本サウナ界の第一人者である「サウナ師匠」こと秋山大輔氏を監修に迎えて、暮らしに“ととのい”を組み込む新しい 「サウナ付きリノベーション・パッケージプラン」の開発に挑みます。
本記事では、その開発の舞台裏として、ゼロリノベ建築事業部責任者・西村一宏氏とサウナ師匠による “サウナのある暮らし”をめぐる白熱の打ち合わせの様子をお届けします。
設計図を前に交わされたのは、単なる設備の話ではなく、「心と身体がどうととのうか」を軸にした、暮らしの本質への対話。

限られた空間の中で、どうすれば“最高のととのい”を自宅で体験できるのか。
ふたりのプロフェッショナルがアイデアをぶつけ合い、理想がひとつずつカタチになっていく様子は、 サウナ好きにとってはもちろん、“日常をアップデートしたい”と願うすべての人にとって、 新しい住まいづくりのヒントとなるはずです。


PROFILE ● サウナ師匠(秋山大輔)
イベントを軸としたブランディング会社を経営しながら、世界を舞台に活動するプロサウナー。日本最大級のサウナイベントやアワード、革新的サウナ空間のプロデュースを手がけ、2025年大阪・関西万博では主催者催事 万博サウナ「太陽のつぼみ」の総合プロデューサーを務める。日本発の感性と世界水準の視座を掛け合わせ、世界とつながる次世代サウナ文化を創出している。


PROFILE ● 西村一宏
「ゼロリノベ」を運営する株式会社groove agentの取締役。一級建築士としての豊富な現場経験と元大学講師としての深い専門知識をもとに、設計施工の責任者を務める。リノベーション・オブ・ザ・イヤーなど建築関連アワードの受賞数は20以上。住宅から商業デザインに至るまで幅広い領域での経験を活かし、業界の既成観念に囚われない最適なアプローチで施主のニーズに応えている。

「サウナのある家」の理想形・こだわりのサウナスタイル

西村:師匠、本日はありがとうございます。まず我々の事業について簡単にお話しさせてください。私たちゼロリノベは、「大人を自由にする住まい」をテーマに、お客様一人ひとりが心地よく、無理なく、自分らしく暮らすためのリノベーションを手掛けています。年間300件以上の中古マンションを設計・施工する中で、師匠が掲げる「一家に一台サウナを」というビジョンに強く共感し、もっと身近に「ととのう暮らし」を届けたいと、このプロジェクトを立ち上げました。
師匠:なるほど。

西村:家にサウナがあれば、暮らしはもっと自由で豊かになるはず。一人ひとりのサウナライフに寄り添いながら型にハマらない、自由で快適な「おうちでととのう」を提案していきたいなと思っているんです。そのために、まずは師匠が考える「理想の家サウナ」とはどんなものなのか、そんなお話からお伺いしたいです。

師匠:面白いテーマですね。今、僕が住んでいる東京のマンションにサウナはないんですが、千葉の一宮に借りているセカンドハウスにはサウナが2つあって、そこでの暮らしがひとつの理想形に近いかもしれません。庭にバレルサウナ、リビングにも一人用のサウナを置いて、実際に生活しています。

西村:実際に生活されてみて、いかがですか?

師匠:そこで痛感したのは、結局、一番大事なのは「動線」だということです。サウナ、水風呂(あるいはシャワー)、そして休憩スペース。この3つがどう連携しているか。それですべてが決まります。一宮の家は元々サーファー向けに作られていて、これがサウナにとって最高の動線だったんです。

西村:サーファー向けの家、ですか。

師匠:そう。庭から直接入れる「ガーデンエントリー」になっていて、まずウェットスーツのまま入れる屋外シャワーがある。家の中に入らずに体を流し、庭のバレルサウナに入り、浴槽に貯めておいた水に飛び込む。そして、オーニング(日よけ)のかかったテラスで休憩する。この一連の流れが、家の外側だけで完結するんです。夜になれば、プライベートな空間で全裸になって、星空を見ながら外気浴ができる。この体験は何物にも代えがたいですね

西村:家の中を濡らしたり汚したりすることなく、サウナのサイクルが完結しているわけですね。

師匠:その通りです。一方で、リビングに置いた一人用サウナは、正直ほとんど使わなくなりました。見た目はおしゃれなんですけど、汗だくの体でリビングを横切って浴室まで移動しないといけない。床が濡れるし、家族がプロジェクターで映画を見ている横を汗びっしょりの人間が行き来するのも、なんとなく気まずい(笑)。やはり、動線が設計されていないと、せっかくのサウナも宝の持ち腐れになってしまう。

西村:なるほど…。非常にリアルなご意見です。動線設計こそが、家サウナの成否を分ける、と。サーファーズハウスのようなアウトドアとの連携は理想的ですが、一般的なマンションでそれを再現するとなると、バルコニーとの位置関係が重要になりそうですね。



師匠:マンションで考えるなら、浴室との連携が何より重要になります。僕が理想だと思うのは、千葉の家のように「通路が抜けていく」感覚です。服を脱ぐ場所があって、シャワー、お風呂、そしてその間にサウナがある。それらが「ひと続きになっていて、全部抜けられる」。そういう
縦の動線だけでサウナ体験が完結するのが理想ですね。

西村:なるほど! 洗面所に入ったら、その奥にシャワーと浴槽があり、さらに奥にサウナ室。そしてサウナを出たら、そのままバルコニーやインナーテラスの休憩スペースに抜けられるような、一直線の動線ですね。それなら、マンションでもコンパクトに、かつ理想的な体験フローが実現できそうです。

師匠:そうです。その動線上に浴槽を配置すれば、そこが水風呂になる。廊下を歩いたり、ドアを何枚も開けたり閉めたりすることなく、一連の行為がシームレスに完結する。これこそが、都会のマンションでアウトドアに負けないサウナ体験を実現する鍵だと思います。

西村:非常にクリアになりました。その「一直線の動線」というアイデアを軸に、いくつか具体的なプランを練ってみたいと思います。

サウナ師匠:そうですね。まとめると、考えるべきは2つの方向性です。一つは、一宮の家のような「アウトドアと連動できるパターン」。もう一つは、都心のマンションでそれをどう実現するかという「インドアだけでアウトドアに負けない動線設計を確立するパターン」。今回はマンションが主戦場とのことなので、後者を突き詰めるのが面白そうですね。

西村:はい。我々のノウハウが最も活かせる領域です。ターゲットとしては、ファミリー層と、単身層の2軸で考えてみたいのですが。

師匠:ファミリー層向け、いいですね。僕も、一人でストイックに入るより、カップルや家族で入れる方が豊かな空間になると思っています。ファミリータイプなら2~3人で入れる1200mm角くらいのサイズがいいでしょうね。単身層に関しては、女性向けなら、よりコンパクトな900mm角でもいいかもしれない。

西村:承知しました。サイズ感も念頭に置きます。ちなみに、師匠は普段、主にどの時間帯にサウナに入りますか?

師匠:年がら年中、四六時中入ってますけど、特に好きなのは朝ですね。起きてすぐ、顔も洗わずにサウナに入って、ロウリュの蒸気で顔を洗うような感覚。寝ている間に下がった体温を一気に上げて、シャキッとした状態で一日をスタートさせる。これは、家サウナでしか味わえない最高の贅沢です。わざわざ施設に行かないと入れない多くの人にとっても、家にサウナを持つことによって達成できる「朝サウナ」の価値は、計り知れないんじゃないですかね。

西村:「サウナに行くぞ!」と意気込むのではなく、歯磨きのように日常のルーティンに溶け込んでいる状態が理想ですね。

師匠:特に、女性にとっては家サウナの価値は計り知れないと思いますよ。24時間営業のサウナは男性専用が多いですし、女性はメイクを落として、サウナに入って、またメイクして…と、とにかく手間と時間がかかる。家にサウナがあれば、そのすべてから解放される。自分の好きなタイミングで、誰の目も気にせず、すっぴんのまま自由にサウナを楽しめるんです。

西村:それは…まさに目から鱗です。我々のお客様は単身女性が3割近くいらっしゃって、サウナは少しターゲットが違うかな、と思っていたんですが、むしろ逆だったんですね。

師匠:逆ですね。叶わなかったことが叶えられる振り幅で言えば、女性の方が圧倒的に大きい。それに、なんだかんだ言って家の実権を握っているのは女性ですから(笑)。「旦那さんがゴルフに行っている間に、私は家でゆっくりサウナタイム」みたいなライフスタイルを提案できれば、男性もプレゼンしやすいはず。だから、今回のプランも男性目線だけでなく、パートナーや家族、特に女性が「これなら欲しい!」と思ってくれるような視点をふんだんに入れていきたいですね。

西村:ありがとうございます。非常にクリアになりました。いただいた理想像を元に、早速、具体的な間取りプランの作成に取り掛かっていきたいと思います!


図面で語る、究極の「サウナのある家」プラン



ヒアリングから少しの時を経て、ゼロリノベのオフィスにて、西村氏が手掛けた図面を前に、再び二人の対談が行われました。

【ファミリータイプ編】


西村:まずはこちら、ファミリータイプのプランです。典型的な73㎡のマンションを想定しています。壁の配置を大きく変えて、寝室は最小限に。その分、玄関横に大きな土間収納、そしてリビングダイニングを広く取りました。そして、ヒアリングでお伺いした「縦に抜ける動線」を意識して、サニタリーにサウナ(HARVIAのSOPO 1212サイズを想定)を配置し、そのままインナーテラスのチルスペースに抜けられるようにしています。

師匠:なるほど。洗面台があって、浴室があって、サウナがあって、そのまま抜けてチルスペースに行けると。まさに話していた動線が意識されていますね

西村:はい。浴室もオープンにして、家族がどこにいても繋がりを感じられるようにしています。

師匠:ただ、ちょっと気になる点がいくつか。1つは、お風呂やシャワーの湿気がダイニング側まで行ってしまわないか。もう1つは、サウナの熱。長時間つけていると、隣接する洗面スペースがかなり暑くなるはずです。


西村:おっしゃる通りです。オープンな浴室の湿気は、空間が広い分、意外と気にならないという実績はあるんですが、サウナの熱は課題ですね。

師匠:それと、サウナの向き。今の配置だと、サウナの中から洗面台の鏡がずっと見える形になる。これは少し落ち着かないかもしれない。僕なら、サウナとシャワーの位置を入れ替えますね。シャワーを手前にして、その奥にサウナ。そして対面にお風呂がある方が、視線の抜けも生まれて気持ちいい。

西村:なるほど! では、配置を入れ替えてみましょう。例えば、浴室を今のシャワーの位置に持ってきて、腰まで壁、上はガラス張りにしてみましょうか?

師匠:その方が絶対にいい。抜け感がまったく違ってきます。いっそ、リビングとの境も腰壁にして、上は全部ガラスで抜いてしまうのもアリです。お客さんが来たときやプライバシーが欲しいときは、ロールスクリーンを下ろせばいい。

西村:それ、いいですね! サウナに入りながらガラス越しに家族の気配を感じられるし、空間に圧倒的な広がりが生まれます。


師匠:このインナーテラスのチルスペースも、少し贅沢すぎるかもしれない。もっと浴室側で完結させて、その分、もう一部屋作れた方がファミリーには嬉しいかも。

西村:このスペースを少しコンパクトにすれば、もう一つ部屋を作ることもできそうですよね。

師匠:僕からの提案は、このインナーテラスを「ウェットなセカンドリビング」にしてしまうこと。ラグジュアリーな貸切サウナによくあるんですが、防水仕様のコーナーソファを置いて、濡れた体のままビールを飲んだり、家族と談笑したりできるスペースにするんです。

西村:セカンドリビングは面白い発想です! 家の中だけど、濡れたままでいられる場所と濡れてはいけない生活空間をゾーニングしてしまうわけですね。

師匠:そう。リビングのソファは濡れたらダメだけど、こっちはOK。サウナ後の火照った体で、気兼ねなく寛げる。リビングとは完全に分かれた、特別な空間になる。外のバルコニーは、いわゆる「外気浴」用のサードプレイスとして使えばいい。

西村:いや、すごくリッチな体験になりそうです。キッチンも、今のアイランド型だと少し動線が窮屈なので、壁付けのL字型にして、ダイニングテーブルをもっと大きな6人掛けにしましょう。家族や友人が集まっても、ゆったり食事ができるように。

師匠:それと、根本的な話なんですが、この間取り、上下をまるっと入れ替えるのはどうですか?滞在時間の長いリビングダイニングを、より光が入って景観の良い広い窓側に持ってきた方が、絶対に気持ちいい。

西村:なるほど…! 実は図面の上側には水道やガスのメーターボックスがあって、そこは床が必要という制約があるんですが…。でも、それをクリアできるなら、入れ替えた方が圧倒的にプランの質が上がりますね。

師匠:リノベーションって面白いなあ。制約の中で最高の答えを見つけていくんですね。


ファミリータイプ:最終プランの方向性
・レイアウト: 居住スペースと水回りスペースを上下反転。テラスに繋がる窓の広い側にLDKを配置。
・サウナエリア: サウナ(1212サイズ)とシャワーを壁際に横並びにし、対面にガラス張りの浴室を配置。抜け感と一体感を演出。
・セカンドリビング: 浴室に隣接するチルスペースには防水ソファを設置。「ウェットエリア」として気兼ねなく寛げる空間に。
・LDK: キッチンはL字型に変更し、6人掛けの大きなダイニングテーブルを配置。家族のコミュニケーションを促す。

【単身女性タイプ編】


西村:続いて、今度は45㎡の、よりコンパクトな単身者向け物件。こちらは、単身女性をイメージしたプランです。玄関を入ったところに、こちらも大きなウォークインクローゼットを設けています。その先に個室(書斎兼ベッドルーム)、キッチン、ダイニング、そしてサニタリーにサウナ(HARVIAのSOPO 0909サイズ)とチルスペースという構成です。

師匠:これもサウナとシャワーと、バスタブの位置は入れ替えて、浴室からの抜け感を出したいですね。でも、もっと気になるのがベッドルームの位置。マンションの共用廊下に面しているのは、特に女性の一人暮らしだとプライバシーや防犯面で不安じゃないかな。ちょっとサウナとは関係ないですけど。

西村:確かに、気にされるお客様は多いです。窓に面した部屋は避けたい、と。

師匠:この家で暮らす女性像を想像すると、リビングがないのも少し寂しいかな。仕事から帰ってきて、ダイニングテーブルで食事して、そのまま寝る…だけじゃなくて、ソファで寛ぎながらNetflixを見たり、友達を呼んでおしゃべりしたりする時間が欲しいはず。あと、チルスペースが、単身用にしては少し広すぎる気がしますね。チルスペースをもう少し縮めても、ライフスペースを広げた方が充実しそうな。


西村:なるほど。では、思い切ってレイアウトを変えましょう。チルスペースを縮小する分、今の書斎兼ベッドルームがある部屋を広げて、一枚仕切れる扉を間に作り、その奥に寝室を配置する。そうすれば、共用廊下からワンクッション置けるのでプライバシーが守れます。

師匠:いいですね。そうすると、元の寝室だった場所を独立した書斎にできる。寝室と仕事場をしっかり分けられるのは、在宅ワークも多い今、すごく価値がある。

西村:キッチンも廊下向きではなく、バルコニー側を向いたカウンターキッチンにして、開放感を出しましょう。料理をしながらテレビを見たり、外の景色を眺めたりできるようにもなりますよね。キッチンの向きを変えることで、テラス側にリビングスペースも生まれますし。

師匠:絶対そっちの方がいい。カウンターキッチンにくっつけるようにしてリビングテーブルを置いて、お客さまが来た時を想定して、4人掛けぐらいの大きさにして。そうしたら、料理しながらお客さまと話もできるし、いいですよね。その奥のテラスに近いスペースが空くから、壁側に大きなテレビなりスクリーンなりを設置して、寛げるリビングスペースにしたいですよね。ローテーブルと、2〜3人掛けのソファなんかもテレビやスクリーン向きに置いちゃったりして。

西村:いいですね!

師匠:そして、サウナから繋がるチルスペースもファミリータイプと同じように、防水のソファを置いて「わたしの基地」みたいに演出してあげたい。岡山で僕がプロデュースしたRR Conditioning & SPAのサウナも、びしょ濡れのまま座れる防水ソファを置いてるんですが、その「背徳感」がたまらないんですよ。

西村:家の中でびしょ濡れでも、人の目を気にせず寛げるソファ…いいですね(笑)。おこもり感のある、特別な空間になりそうです。

師匠:この45㎡の空間に、独立した書斎、寝室、リビングダイニング、キッチン、トイレ、ウォークインクローゼット、そしてサウナと、ウェット対応のチルスペース…全要素が入った、まさに「全部乗せ」の贅沢な部屋になりますね。これなら友達も呼びたくなる。「うち、サウナあるから遊びに来ない?」って。


単身女性タイプ:最終プランの方向性
レイアウト: 個室スペースを広げ、間に仕切りとなる扉を一枚入れ、奥に寝室を新設。共用廊下からのプライバシーを確保。
サウナエリア: サウナ(HARVIAのSOPO 0909サイズ)とシャワー、ガラス張りの浴室で構成。サウナ&シャワーとバスタブの位置を入れ替えることで開放感を出す。浴室をバルコニーに近づけ、半露天のような開放感を演出。
・チルスペース: 防水のソファとテーブルを置き、自分だけの時間を楽しむ「わたしの基地」に。
・LDK: バルコニーを向いたカウンターキッチンと、ゆったり寛げるソファダイニングを配置。

【番外編】

師匠:ここまで来たら、水風呂にも究極を求めたいですね。家庭用サウナで一番の課題は、夏場の水温なんです。これを解決するのが「チラー(冷却機)」。リノベーションで床や壁をいじるタイミングなら、チラーの配管も一緒に工事できる。これは最大のメリットですよ。

西村:後からチラーだけを設置するのは、床下や天井裏に配管を通す大掛かりな工事になるので、かなり大変です。リノベと同時なら、合理的かつ綺麗に仕上げられます。

師匠:理想は、ボタン一つでお風呂が沸くみたいに、15℃の冷水が浴槽に貯まること。それも、よくあるオーソドックスな蛇口からじゃなくて、壁に埋め込まれたお洒落な形状の口から、滝のように水が流れ落ちてきたら最高。チラー付きの水風呂がある家なんて、他には絶対にない。圧倒的な付加価値になります

西村:工事費とチラー本体で150〜200万円ほど追加になりますが、その価値は十分にありますね。「氷を入れる」という手間から永遠に解放されるわけですから。

師匠:それと、チルスペースの天井にシーリングファンをつけたい。筒状の静かなやつ。ゆっくりと空気を対流させることで、まるで屋外で風に吹かれているような、心地よい感覚が得られるんです。

西村:いいですね。照明やコンセントの位置も自由に設計できますし、サウナに必要な200V電源の確保も、リノベーションならスムーズです。

師匠:テイストは、特に女性向けのプランなら、白を基調に、太めのウッドや真鍮を合わせたナチュラルな感じがいいな。家具を選ばないけど、品のある空間。壁の角をR(曲線)にしてあげると、柔らかい印象になって可愛い。

西村:このプラン、寝室をなくして、もっと割り切った「セカンドハウス」として提案するのも面白いかもしれません。都心に自宅はありつつ、仲間と集まってサウナや食事を楽しむための、もう一つの拠点。

師匠:めちゃくちゃアリですね。シェフを呼んでパーティーをしたり、ビジネスの打ち合わせで使ったり。寝泊まりはしないけど、最高の時間を過ごすための空間。泊まりたくなったら、ソファベッドで寝ればいい。Airbnbとして貸し出すのだって考えられる。ウェットエリアとドライエリアがしっかり分かれているから、使い方の自由度がものすごく高い。

西村:いいですね。どんどんアイデアが出て来ますね。今日の対談を元に、最終パースの作業に取り掛かれるのが、今から楽しみです! 出来上がったら、またご連絡させていただきますので、ぜひご確認いただいて、再び熱いコメントをいただけましたら嬉しいです。


理想がカタチに。完成した「サウナのある家」の具体像

白熱の議論から数週間後。その日のアイデアと想いが、ついに具体的な形となって仕上がりました。制作された完成予想パースを前に、西村氏とサウナ師匠が、再び顔を合わせます。

西村:師匠、お待たせいたしました。先日の打ち合わせを元に作成した、最終的なパースがこちらです。

✅ファミリータイプ



✅単身女性タイプ


西村:ファミリータイプは、ご提案いただいた通り、LDKを景観の良い側に移動させ、サウナエリアとの間に「ウェットなセカンドリビング」を設けました。単身女性タイプも、プライバシーを確保した寝室や独立した書斎、そして「わたしの基地」となるチルスペースを形にしています。

師匠:これはすごい。本当に、僕が住みたいくらいですね(笑)。前回、平面の図面のみで話していたことが、具体的な完成図とともに、さらにこうして立体イメージ図をも伴ったものになってくると、その価値がよりはっきりと見えてきます。

西村:ありがとうございます!生活空間にサウナが馴染んでいますよね。

師匠:特にこの、サウナから繋がるウェットエリア。ここは単なる休憩スペースではなく、もう一つのリビング、いわば「ダブルリビング」ですよね。普通のドライなリビングでは家族がテレビを見ている間に、もう一人はウェットリビングで濡れたまま本を読んだり、音楽を聴いたりできる。同じ家の中にいながら、家族がそれぞれ違う場所で、違う豊かな時間を過ごせる。これは、今までの日本の住宅にはなかった発想ですよ。

西村:そう言っていただけると嬉しいです。ゼロリノベは「自由な暮らし」を大切にしているので、そういった意味でも暮らし方の幅が広がるプランになっていますよね。

師匠:単身女性のプランも、ただサウナがあるだけじゃなく、書斎やリビング、プライベートが守られた寝室まで、暮らしの全要素が凝縮されている。この家でなら、仕事もプライベートも、そしてサウナライフも、すべてが充実するイメージが湧きます。この家に帰ってくるのが楽しみになるでしょうね。

西村:動線からライフスタイルまで、師匠にいただいたアイデアの数々がなければ、このプランにはたどり着けませんでした。

師匠:リノベーションだからこそ、これだけ自由な発想が実現できる。チラーや200V電源といった設備的な課題もクリアできるし、何より「どう暮らしたいか」という本質的な部分から家づくりを始められる。このパッケージプランは、多くのサウナ好きにとって、夢を叶えるための最高の答えになるんじゃないでしょうか。もし本当に実現するときが来るならば、そのときが本当に楽しみです…!

西村:ありがとうございました。今回の師匠からの学びを活かして、我々も引き続き研鑽を重ねつつ、多くのサウナーのみなさまにとっての理想の「サウナのある家」を叶えていけるよう、努力を続けて参ります!


ゼロリノベが提案する「おうちでととのう」サウナリノベのサービスが誕生!

自由で多様な住まいを応援するために、ゼロリノベは、フィンランド発、世界No.1サウナブランド『HARVIA』の正規代理店として駒込にショールームをオープン。サウナを含めた暮らしと空間を提案する、ワンストップリノベーションサービスを開始しました。

細かなヒアリングの中から要望をすくい取り、型にはまらないサウナライフと理想の暮らしを形にしていきます。今回、サウナ師匠と考えたプランのように、物件や暮らし方に合わせて一から自由にプランニングすることが可能です!

ゼロリノベの定額制プラン「BASE」でも、オプションとしてサウナプランをお選びいただけるよう準備中です。完全定額制のBASEプランについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

詳しく知りたい方は、こちらのバナーよりお申し込みください(ショールーム見学は完全予約制です)








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